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構想から3年がかりで製品化を果たした、シーベリーサイダー。
2002年からシーベリーの栽培を始め、生徒が専攻班の活動を通して食品への活用を考えてきました。ビタミン・ミネラル・アミノ酸など、なんと200種類以上もの栄養素が含まれていて、「奇跡の果実」と呼ばれるシーベリーを多くの人に知ってもらい、より付加価値を高めようと、地元商工会と協力してサイダーを開発しました。
普段なかなか耳にすることのない「シーベリー」ですが、その歴史は古く2億年以上前から存在している果実と言われています。原産地は中国からヨーロッパで、可愛いオレンジ色の直径1cmにも満たない小さい果実です。学名のHippophae rhamnoidesは直訳すると「馬の毛を輝かせる実」という意味になります。ギリシャ神話に登場する空飛ぶ白馬ペガサスの好物であったと言い伝えられており,モンゴル帝国を築き上げたチンギスハンの伝記にも登場し,戦において兵士や馬の栄養源として重宝されていたと伝えられています。日本では、大陸性気候の北海道とは相性が良く、国内では北海道3か所でしか栽培されておらず、とても貴重な果実です。
2002年に士幌高校農場にシーベリーを定植し、2005年から収穫が始まりました。2005~2009年までは、地元の大学や栽培農家らによるシーベリー研究会と連携を図り、シーベリー果肉入りソーセージ、シーベリー酢を原料にドリンクやドレッシングなどの商品開発の取り組みをした経緯がありました。
2013年からは、「もっと地域食材の可能性を引き出したい」という想いから、シーベリー自体を名産品として地域に広めようとプロジェクト学習を再始動しました。生徒の「シーベリーの鮮やかな色を生かして面白いものが作れないだろうか?」という一言をきっかけにシーベリーサイダーの商品開発が始まりました。2015年夏から地元商工会と共同で試作を重ね、構想から3年。先輩から後輩へ、その思いが受けつがれて、「シーベリーサイダー」が完成させました。瓶のラベルも同専攻班がデザインし、シーベリーが写真付きで説明されています。
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